父と山口と丙ノ午の娘
 三坂 幸子
 マツノ書店
   1995年刊行 B6判 並製  350頁
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■著者の三坂幸子さんは、山口県を代表する郷土史家・故三坂圭治氏の夫人です。若い頃から才媛の誉れ高く、またすぐれた歌人としても知られています。
■幸子さんが60代から20数年にわたって書き続けてこられた、自伝風読み物『父と山口と丙ノ午の娘』を本にしたいという相談を小社が受けたのは、昨年の今ごろのことです。読んでみるとなかなか面自いので、これは自費出版で関係者だけのものにしておくには惜しい思って、朝日新間に持ちかけ、その一部をまとめて、山口版に一年間連載することになりました。その間、無理をお願いして、出版を待って頂いたわけです。
■いま毎週金曜の紙面に『明治大正あのそこのそ』という題で連載されている作品がそれです。赤松吾郎画伯の卓抜なイラストと共に大好評で、来年の2月頃まで続きます。
■新聞連載にあたっては、情感豊かで原生林のように奥深い原文を当世風に読み易く書き替えましたが、このほど刊行される本は、すべて原文のままです。
■エネルギーあふれる、丙午(ひのえうま)生まれの娘とその家庭を中心に、明治大正の人ぴとの暮らし、こどもの遊ぴ、秋芳洞を世界に紹介したガントレットー家との心なごむ交流、昭和を代表するユーモア作家・佐々木邦の話など盛りだくさん。山口の昔をこのような名文で、しかも詳細に書き残したものは他になく、心からお篇めできる作品です。